マイホーム購入時の控除に関して
Hさんは、今年念願のマーホームを手に入れました。土地と建物の合計4000万円の内1000万円を自己資金で用意し、残りの3000万円を金融機関から借入れました。
Hさんは年収500万円、所得税20万円として、その他の要素は考えない場合に、住宅ローン控除として適用を受けることができる金額は次の内どれでしょうか。
① 10万円 ② 20万円 ③ 30万円
税理士からの回答
私達は、マイホームを手に入れるために、ある程度の自己資金を用意することが一般的です。そして、残りの金額を金融機関などから借入することで、マイホームを購入するケースが多いでしょう。
この住宅ローンは、通常短い人でも10年~15年、長い人では35年もの間、返済が続きますので、どうしても負担が大きくなります。
そこで政府は、購入者の負担を軽くして、住宅取得を促進することで景気回復を図ることを目的に、1999年から一般的に住宅ローン控除と呼ばれる税制優遇制度を実施しています。
正式には、住宅借入金等特別控除と言います。
これは、居住者が住宅ローンを利用して、マイホームの新築、取得、又は増改築等をして、平成25年12月31日までに自分の居住用として使った場合で、一定の要件を満たす場合において、その取得に係る住宅ローンの年末残高を基にして計算した金額を、所得税額から控除するものです。
この控除の適用を受けるためには、以下の要件を満たすことが必要です。
① 新築時又は購入の日から6か月以内に入居し、適用を受ける年の12月31日まで居住していること
② 住宅ローン控除を受ける年の合計所得金額が、3000万円以下であること。
③ 登記簿に表示されている床面積が50㎡以上であり、床面積の2分の1以上が自己の居住用であること
④ 返済期間が10年以上であり、また居住用の土地と建物を取得するための借入金があること
⑤ 勤務先からの借入金の場合には、金利が1%以上であること、親戚や知人からの借入金の場合には、適用対象外である。
⑥ 居住した年とその前後2年間に、3000万円特別控除や居住財産の買い替え特例を受けていないこと
次に控除額は、住宅ローンの年末残高の合計額を基に、居住を開始した年分の計算方法により算出します。
但し、以下の計算式により計算した金額と本人がその年に負担している所得税の合計との少ない方の金額が対象となります。
居住の用に供した年 | 控除期間 | 各年の控除額の計算(控除限度額) |
---|---|---|
平成23年1月1日から 平成23年12月31日まで | 10年 | 1~10年目 年末残高等×1%(40万円) |
平成24年1月1日から 平成24年12月31日まで | 10年 | 1~10年目 年末残高等×1%(30万円) |
平成25年1月1日から 平成25年12月31日まで | 10年 | 1~10年目 年末残高等×1%(20万円) |
また、居住者が認定長期優良住宅(いわゆる200年住宅)を新築、取得しており、平成21年6月4日~25年12月31日までの間に居住の用に供しており、上記の適用要件を満たしている場合には、次の計算方法により計算した方法が住宅借入金等特別控除の額となります。
尚、認定長期優良住宅とは、長期優良住宅の普及の促進に関する法律の規定に該当する家屋のうち、その構造及び設備等に関して耐久性、耐震性、省エネ性能、可変性、更新の容易性等の一定の措置が講じられている住宅で、長期優良住宅建築等計画の認定通知書において認定されたものをいいます。
居住の用に供した年 | 控除期間 | 各年の控除額の計算(控除限度額) |
---|---|---|
平成21年6月4日から 平成23年12月31日まで | 10年 | 1~10年目 年末残高等×1.2%(60万円) |
平成24年1月1日から 平成24年12月31日まで | 10年 | 1~10年目 年末残高等×1%(40万円) |
平成25年1月1日から 平成25年12月31日まで | 10年 | 1~10年目 年末残高等×1%(30万円) |
設問では、3000万円の1%を計算しますと30万円、それと年間所得税20万円とを比較して少ない方の金額である20万円が住宅ローン減税の対象額となります。
従って、正解は②となります。
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