扶養控除の計算についての設問
設問 Hさんは、今年2人の子供がそれぞれ高校と大学に入学しました。また、今年から母親(75歳)を介護するため同居してもらうことにしました。
3人共に、合計所得が38万円以下であり、その他の要素は考えないとした場合に、Hさんの扶養控除の合計額は次の内どれでしょうか。
①114万円
②139万円
③159万円
税理士による回答です
納税者に所得税法上の扶養親族がいる場合には、一定の金額の所得控除が受けられます。
これを扶養控除といいます。そして扶養親族とは、その年の12月31日の現況で次の4つの要件のすべてに当てはまる人です。
1)配偶者以外の親族(6親等内の血族及び3親等内の姻族をいいます)又は都道府県知事から養育を委託された児童(いわゆる里子)や市町村長から養護を委託された老人であること。
2)納税者と生計を一にしていること。
3)年間の合計所得金額が38万円以下であること。
4)青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないこと又は白色申告者の事業専従者でないこと
また、扶養控除の金額については、扶養親族の年齢、同居の有無、などにより次の表のようになっています。
区分 | 控除額 |
---|---|
一般の控除対象扶養親族(※1) | 38万円 |
特定扶養親族(※2) | 63万円 |
老人扶養親族(※3)同居老親等以外の者 | 48万円 |
老人扶養親族(※3)同居老親等(※4) | 58万円 |
※1 控除対象扶養親族とは、扶養親族のうち、年齢16歳以上の人をいいます。
※2 特定扶養親族とは、控除対象扶養親族のうち、年齢19歳以上23歳未満の人をいいます。
※3 老人扶養親族とは、控除対象扶養親族のうち、年齢70歳以上の人をいいます。
※4 同居老親とは、老人扶養親族のうち、納税者又は配偶者の直系尊属で、常に同居している人をいいます。
※5 上記の控除額は、平成23年度分から適用されるものです。平成22年度の税制改正において扶養控除は見直しが入っております。22年以前の取り扱いについては上記と異なりますので、注意が必要になります。
今回の設問では、子供2人については、高校生が一般の扶養対象扶養親族に当たり38万円、大学生が特定扶養親族に当たり63万円となります。
次に、母親については、70歳以上で同居している為、老人扶養親族の同居老親等に当たり、58万円となります。
従って、正解は③となります。
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