課税所得の計算問題

問題1 Hさんは今年、400万円の給与と100万円の賞与をもらいました。そのうち、10万円が通勤手当として支給されたものです。
その他の要素は考えないものとして、Hさんの今年の給与所得の額として正しいのは、次のうちどれでしょうか。

①258万円
②338万円
③346万円
④354万円

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 回答

会社員が勤務先から得る収入は給与所得に分類されますが、給与所得には給料・賞与のほか、各種手当・現物給与が含まれます。

各種手当には、残業手当、休日出勤手当、職務手当、家族手当、住宅手当などがありますが、例外として非課税の手当があります。

代表的なものとしては通勤手当が挙げられます。通勤手当は、利用する通勤手段により課税されない金額がそれぞれ決められており、例えば電車やバスを利用して通勤している場合には1カ月当たり10万円までが非課税となります。

また現物給与とは、通常給与は金銭で支給されますが、食事を支給したり、商品の値引き販売などのように物や権利で支給される場合のことを言います。

基本的には現物給与も給与所得に含まれますが、これらは職務の性質上欠くことのできないものとして業務遂行上の必要から支給される事が多いために、課税上は金銭給与とは異なった取り扱いが定められています。

例えば食事を支給する場合には、社員が食事代の半分以上を負担しており、会社の実質負担が1月3,500円以下の時には課税されないこととなっています。

次に給与所得の計算方法についてですが、以下のような計算式となります。

収入金額(源泉徴収される前の金額)-給与所得控除額=給与所得の金額
収入金額はこれまで説明してきた通りですが、そこから給与所得控除を差し引くことができます。

給与所得控除とは、会社員が収入から差し引くことが認められている控除のことです。自営業者は収入から必要経費を差し引くことができますが、会社員の場合は、その必要経費に代わるものとして給与所得控除があるということです。

控除額については給与収入に応じて以下の表のようになります。
今回の設問ではHさんの給与収入の内10万円が非課税の通勤手当ですので、課税される対象となるのは490万円となります。

これを以下の表に当てはめますと、給与所得控除額は152万円となりますので、正解は②となります。

給与等の収入金額
(給与所得の源泉徴収票の支払金額)
給与所得控除
1,800,000円以下収入金額×40%
650,000円に満たない場合には650,000円
1,800,000円超3,600,000円以下収入金額×30%+180,000円
3,600,000円超6,600,000円以下収入金額×20%+540,000円
6,600,000円超10,000,000円以下収入金額×10%+1,200,000円
10,000,000円超収入金額×5%+1,700,000円

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