複数の収入源がある時の所得計算

設問 Hさんは今年、給与所得400万円以外に事業収入として60万円の収入を得ました。収入に対する経費として100万円、その他の要素は考えない場合にHさんの所得金額は次の内どれになるでしょうか。

①460万円
②400万円
③360万円

目次

 専門科の税理士による回答

私たちは勤務先から所得を得たり、副業からの所得を得たり、あるいは不動産からの所得を得たりするなど、2種類以上の所得が生じる場合があります。

この内、例えば1つの所得が黒字、他の所得が赤字といった場合に、その各所得の黒字と他の所得の赤字とを、一定の順序にしたがって、差引計算することを損益通算と言います。

所得が赤字の場合に損益通算の対象となる所得は、不動産所得、事業所得、譲渡所得、山林所得の4つです。

但し、同一の所得内での計算において黒字と赤字が発生している場合、例えば一時所得の中で100万円の儲けが出ているものと、50万円の損失が出ているものがあったとすると、差引して50万円の所得となります。

このように同一所得内で通算することを内部通算といいます。

損益通算を行う場合には順序があり、損益通算の対象となる所得に応じてそれぞれ差し引く手順が決まっています。

今回の設問にある事業所得の赤字について見てみますと、まず不動産所得、利子所得、配当所得、給与所得、雑所得から差し引きます。
それでもまだ赤字が残っている場合には、次に譲渡所得、一時所得から差し引きます。

そして、この段階でも赤字が残る場合は、山林所得、退職所得から差し引きます。

以上の順序で損益通算を行っても、まだ赤字が残る場合があります。その場合には、損失申告を行うことで、残った赤字を翌年度へ繰り越すことができます。

但し、その場合には、青色申告の届出を予め税務署に提出しておく必要があります。

設問では、事業所得において生じている40万円のマイナスを給与所得から差し引くことが可能です。従いまして、③が正解となります。

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