株式の配当所得を申告したときの還付額

設問 Iさんは今年、上場株式の配当金を9万円受け取りました。配当所得以外の課税所得が180万円の場合、Iさんが配当所得を確定申告することで還付される金額として正しいのは次のうちどれでしょうか。
①1000円
②3000円
③5000円
④10000円

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 回答

会社の株式を所有していると、株主として利益の分配を受け取ることがありますが、配当所得とは、そのような利益の配当や、剰余金の分配、また証券投資信託の分配金などの所得を言います。

配当所得の金額は、次のように計算します。
配当所得の金額=収入金額(源泉徴収される前の金額)-借入金の利子
この場合の借入金の利子とは、株式や出資を購入するための借入金が対象であり、その年の保有期間に対応する部分に限られます。

また配当所得は、所有する株式の区分に応じて予め所得税が源泉徴収されます。

まず上場株式の配当の場合には、平成23年12月31日までの間に支払いを受ける配当については10%(所得税7%と住民税3%)の軽減税率により源泉徴収されます。

次に上場株式以外の配当の場合には、20%(住民税なし)の税率により源泉徴収されます。

配当所得は、原則として確定申告の対象になりますが、確定申告不要制度を選択することもできます。

この確定申告不要制度とは、まず上場株式の配当の場合には支払いを受ける配当の金額にかかわらず確定申告を要しません。次に上場株式以外の配当の場合には1銘柄あたり1回5万円以下(年1回10万円以下)については申告不要となります。

但し、あえて確定申告を行うことで、配当支払いの際に源泉徴収された所得税が還付されることがあります。これは確定申告を行うことで、配当控除という税額控除を受けることができるからです。

しかしこの場合は、配当所得以外の課税所得金額が1000万円を超えるかどうかにより取り扱いが異なりますので注意が必要になります。

課税所得金額控除額の計算
1000万円以下の場合配当所得の金額×10%
配当所得以外の課税所得が
1000万円を超える場合
配当所得の金額×5%
配当所得を加えると課税所得が
1000万円を超える場合
1000万円以下の配当所得の金額×10%
+1000万円超の配当所得の金額×5%

設問の場合、元々の年間の所得税額は課税所得180万円の5%で90000円です。

上場株式の源泉徴収税率は10%ですので、源泉徴収される前の配当による収入金額は10万円となり、これを課税所得金額に加えて所得税率5%で再計算しますと190万円の5%で95000円となります。

そこから配当控除の1万円を差し引くと85000円が年間の所得税額となります。
従って、正解は③となります。

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